【企】リトルバタフライ
2  切ない夜。
由麻と別れた後、なんだかとても切なくなってあたしは宏輝に電話をかけた。


「もしもし?今大丈夫??」


『あぁ、5分ぐらいならいいよ?』


電話越しだと、とても遠くにいるような気がして、でも、なんだかあったかくなる。


「うん。あのさ、今度、いつでもいいんだ。一緒に買い物とか行けないかな・・?」


もう付き合ってから、半年が経ったの。何か、二人だけの証が欲しかった・・・。


せめて、一日だけ【礼菜の彼氏】という宏輝になってほしかった――。


『ごめん・・・たぶんムリ。』


低く落ちた声のトーンは、あたしの耳を通って心をキュッと締め付けた。


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