白と黒ゲーム

私は我慢できず、玲美を遮って懇願した。必死の懇願、私は無意識に両手を握って真に訴えた。
だが、そんな私の必死さを嘲笑う真は再びナイフよりも鋭い口を開く。


「そもそも何で黒?黒側の人間なのは分かる。だけど、他役職の可能性もあるだろ?どんな手を使ったのか知らないけど、黒が他の役職を動かしたら?捕まえたのが誘爆者だったら?白の人間が二人死ぬんだよ?責任取れんの?」


「わ、私は最初に黒と思わしき人物って....」


「でも、途中から候補の人達を黒!って言ってるよね?それは武器庫へ来た人が黒と決めつけてるのと一緒だよね?」


「それは必死だっただけで...」


「この会談は黒側の人間を処刑させるためにあるんじゃない。黒"を"処刑させるためにあるんだ。そんな架空バリバリの案に乗っかって、何人もの犠牲を作るよりかは朝一番で央土君を殺せる時間が何よりもあった最黒を指定させんのが一番なんだよ。」


真のキッパリとした回答に候補の五人は勿論の事、他の生徒も何人か頭を頷いていた。
私は心が握られているかのように苦しくなる。絶望がジワジワと襲ってくる。



「....もし、純が白で杏さんの事が本当だったらどうすんだ?真、お前は責任取れんのか?」



誰も味方についてくれないと思っていた状況下で、一人の人物が声を上げた。
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