白と黒ゲーム

私はその行為の意味を知り、慌てて訴えた。


「ッ!美智さん!待ってよ!純は黒じゃないの!信じてよ!美智さんッ!!!」


「情に流されないでよ委員長〜。ほら、これこそ印象操作だよ。元道君はあの四人とグルなんだ。確定だよ確定。確実に黒を処刑しよう。」


「黙ってて!!美智さん聞いて!お願い美智さん!私達の話を聞いて!!」


私の必死の叫びに美智の右手が頭の上辺りで止まる。ゆっくりとボタンから私に視線が移って行く。


あ、危なかった...良かった。美智さんが話を聞いてくれそう....で?....


美智は何故か私を睨みつけていた。この目付きは見覚えがあった。
小さい頃、近所の猫を触ろうとした時、猫は威嚇しながら私に攻撃したことを。

美智の目に宿っていたのは拒絶だった。


「....小木君を処刑します!皆さん投票して下さい!もし、処刑されなかったら何度でも会談を申請します!会談に賛成してくれなかった人は黒扱い!白の敗北を確信した場合、私は黒に協力します!!」


美智は大きくハッキリと口にすると、ボタンを強く押し切った。
真の悪魔のような強硬手段が成功してしまった。


ビーッ!ビーッ!ビーッ!


"「会談」を終了致します。次に「投票」に移ります。「投票」時間中の私語は禁止です。"


「ま、待ってよ!まだ終わって...痛っ!!」
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