白と黒ゲーム
私がアナウンスに話しかけると首に痛みが生じる。鋭い刃物がチクリと首に刺さったのだった。首の機械が作動したのだった。
だが、痛みはそれだけだった為、これは警告なのだと理解する。
"皆様の机から液晶画面が出てきます。そこで処刑に指定したい人物へ投票して下さい。
左右にバリケードをはりますので、見られる心配はありません。"
機械音と共にアナウンス通りにバリケードと液晶画面が机から出てくる。
液晶には大部屋を上から見たような図だった。それぞれの席に名前が記され、そこだけ押せるようになっていた。
"時間は一分です。
それでは、「投票」を開始します。"
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
始まってしまった「投票」、考えられる限り最悪のゴールを迎えてしまった「会談」。
私は押し寄せてくる絶望をジワジワと感じながら、震える指で真の名前を押した。
なんで....なんでよ...皆お願い!純を助けてよ!美智さん、黒は絶対に見つけるから!だから!純は!!
私は泣きそうになりながら心の中で必死に願った。噛んでいた唇から血が垂れ流れるほど必死に祈った。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
"全員の投票を確認出来ました。投票結果を発表します。
久川 栄一.......四票
吉田 真.......五票
小木 純