白と黒ゲーム
純が首元を反射的に抑えた。すると、その手の下から血がたらーっと流れ落ちていく。それだけで、私の時より刃が食いこんだと分かる。強い警告だ。
"最後の警告です。小木 純、処刑場へ登壇しなさい。"
「うるさい!黙ってよ!純!その首の機械壊して!それさえ壊せば言う通りにしなくていいから!!」
純は私の言葉通り、機械に手を掛けようとするが、掴む寸前で止まり何故か処刑場の方へと歩いていく。
「ッ!何馬鹿なことしてんのよ馬鹿純!!いいから戻ってきてよぉ!」
「純ッ!何してんだてめぇ!そんな薄っぺらいもんぶっ壊せよッ!おい!聞いてんのか!!」
私達の言葉を無視し、純は処刑場へと足を進めていく。背中から感じる悟りの感情、私は嗚咽しながらも純を呼び掛けた。血が出そうになるほど大声で叫ぶが、純は足を止めてはくれなかった。
処刑場は左右に階段があり、そこから壇上に上がる。そしてその中央に人一人が入れるガラスケースと上に金属の装置が括り付けられている形になっている。
純は壇上へ上がり、ガラスケースの取っ手を引いてガラスのドアを開け、中へ入った。
それと同時に、私達全員の拘束具が解かれる。一瞬困惑したが、私と勝治と玲美はすぐに純の元へと駆け寄った。