白と黒ゲーム
悪夢と決意
私は白い空間に立っていた。何も物もなく、見渡す限り無限に広がる白い空。今自分が立っている場所も地面なのか、はたまた浮いているのか混乱させる程の白さ。
「なんなの?ここ....」
ボソッと呟いた言葉からエコーがかかる。言葉の波紋を耳で聞き更に困惑する。普段喋って出るわけのないエコー、この空間には経験したことない事ばかりだった。
満たす限り白く、地面との区別がつかない空間、謎のエコー。私はこの状況に困惑から恐怖へと変わっていき、何かあるか必死に目を凝らした。
気が狂いそうだった。精神的ストレスがどんどん溜まっていくのが分かる。今にも発狂しながら頭を抱えたい気持ちでいっぱい。
そんな私を救うかのように現れた人影。距離は離れていて誰か判断出来ないが、徐々に近づいてきてくれてるのは分かった。
「た、助かった...あの!ここ一体なんなんですか!?」
私は自分の耳にかかるエコーを毛嫌いしながら、精一杯大きな声を出した。人影は私の質問に応答する感じはなく、ただ近付いてくる。私は何度か声をかけたかったが、これ以上エコーで変な感じにはなりたくなく、その人影が姿を現すまで待った。
その人影が誰なのか分かる距離まで来た時、私は空いた口が塞がらなかった。
「え?....純?」