白と黒ゲーム
「純!嫌ッ!なんで!なんでよぉ!!」
私は倒れている純に近付こうとするが、何故か目の前に見えない壁がある。私はドンドンとその壁を叩くが、壊れる様子もない。
私のトラウマが蘇る。
純が倒れている傍に黒い人影と共に山田が現れた。山田はニコニコしながら私を見る。
「や、山田....なんでここに...」
「いや〜、助けれませんでしたね〜。遠藤 杏。滑稽ですよ、実に滑稽だ。貴女を例えるなら正にピエロ。愛する者を助けるどころか失敗ばかり、貴女がアクションを起こせば起こすほど状況が悪くなっている」
「わ、私はただ....純を助けたくて....」
「それで彼が死ぬまで状況悪くしたら元も子もないですね〜。想いを伝えるのも手遅れになってから。変な見栄など張るからこんなことになるんですよ?伝える時に伝えようとしない貴女の度胸の無さには貴女を象徴しているようにも見える。
ピエロで臆病者、ただ腰抜けだ。」
「あんたに....あんたに何が分かるのよ!あんたがいなければこんなことには」
「いや、そんなの関係ないよ。杏。」
聞き覚えのある声、その声の主は山田の背中から現れた。玲美だった。まるで家畜を見るかのように冷徹な目で私を見つめ、その裏手からも勝治も現れる。
「あんたがあの時いなければ、黒を捕まえれて純が処刑されることはなかった。