白と黒ゲーム
私に言うことだけいって足を引っ張る、何がしたいのあんた?」


「全くだ。俺がなんの為に陽動したのか分かんねぇよ。俺の親友は、てめぇのせいで死んだ。....いや、お前が殺したんだ。」


玲美と勝治は私に近付き、見えない壁を貫通して私のおでこに人差し指を突き付けた。


「「お前のせいだ!純が死んだのはお前のせい!お前が全部悪い!全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部!!!!!!」」


私を突き飛ばすように二人は人差し指で一気に私を押し飛ばした。私は心がボロボロになりながら、二人の罵倒を聞くしか無かった。

二人が私を見下していると、そのお腹からそれぞれ一つづつ、銀色の包丁が突き出る。
二人はその場で倒れ、黒い人影は両手に持っている赤く染った包丁を私に見せ付けてきた。


「....黒...」


私がボソッと呟くと、黒い人影はニヤッと笑った。実際、目で確認出来ないが、私は本能的にそうだと確信する。

黒い人影は両腕をバッと左右に開くと、身体全体から黒い煙を出す。白い空間が瞬く間に黒く塗りつぶされて行く。その黒は私をも侵食していく。


「いや....嫌だ...私は....」


私は下から昇ってくる黒の侵食に抵抗しなかった。そんな力は無かった。涙を流しながら、純と玲美と勝治、三人の倒れ込んでいる姿を目に焼き付けていた。
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