白と黒ゲーム
バタバタしている玲美はある意味新鮮だが、私はまだ寝ぼけているのか、そこまで反応しなかった。
ただ、玲美から渡されたペットボトルを渡され、飲んだ。
「ありがとう玲美。」
「そ、そんなのいいって。でも本当に大丈夫?だって」
「玲美、私さ怖い夢見たんだ。」
私は玲美の発言を遮って話しかける。玲美は私に気を遣いながら不思議そうにしていた。
「夢?」
「純がさ....純が殺されちゃう夢を見たの。修学旅行へ行く途中でいきなり意味の分からない施設に誘拐されてさ、ゲームしろだなんて言われるの。」
今思えば、あれもそれも日常とは明らか違う状況に囲まれていた。ただの高校生が修学旅行へ行こうとしただけなのに、こんな目に遭う必然はどこにも無い。
「なんか凄っいリアルでさ、ありえないって思いながら現実に感じちゃう程なんだ。だってさ、いくら命がかかってると言っても、あんだけ仲が良かったクラスメイトが...殆どの人が怖く見えちゃうなんて有り得ないもんね。」
「....杏....」
「私さ、その夢だと結局純に告白出来なかったの。純を助けれずに想いを伝えれなかった。後悔ばっかが残る怖い夢だった....だけどさ、それは私を応援する悪夢って気がついたんだ。」