白と黒ゲーム
「杏....もう....」
「悪夢が警告してくれてるんだよ。"今すぐ告白しないとこうなるぞ!"って。私、今すぐ純に会わなくちゃ。ここもう沖縄でしょ?私ずっと寝てたからホテルがどんな構造で純がどこにいるか分からないんだ。
玲美、純がどこにいるかおし」
玲美はいきなり私に抱きついてきた。私の頭が玲美の柔らくて暖かい胸に包まれる。ギュッと力強く私を抱き締めていた。
「杏....純はさ...."白"だったよ...」
「...え?」
「純は白だったんだよ....処刑の後、表示で教えてくれた...純が...純が処刑される意味は無かったの...」
私は玲美が何を言っているのか分からなかった。玲美の言葉はまるで...
「れ、玲美?何を言ってるの?それは私が夢で見たゲー」
「杏!...現実なんだよ...誘拐されたのも、ゲームも...純のことも....」
私は胸の底から自分では制御出来そうもない何かが押しあがってくるのを感じ、それが全身を満たした時に自然に涙が流れた。
息が嗚咽に変わり、目を閉じずにはいられない。
気が付いていた。ゲームのことが現実だということは。私はそうであって欲しくないという想いで、この現実をかき消そうとしていた。
思い返す、純を助けれなかったこと、純の死に顔を。