白と黒ゲーム

アナウンスがかかると、扉が自動ロックがかかる音が聞こえる。この時点でこの部屋は完全に安全の要塞と化した。

私はボーッとしながら、その場で服を脱ぎ出す。脱いだ服をベットに乱雑に置くと、個別部屋のシャワールームへと歩いた。


暖かいシャワーが私を宥めるかのように流れてくる。全身がシャワーの暖かさを感じ、枯れたはずの涙が静かに流れる。

私は唇を噛み締め、ギュッ握り拳を作っていた。

私が....私がしっかりしてなかったから純が...
私が見た悪夢....純が死に、玲美と勝治が刺され、黒...あれは警告なんだ。私がこのままだったら二人が死ぬと....悲しいけど切り替えなきゃ。玲美の言う通りだ、私が身も心も小さくなるのを純が望んでいるはずがない。だから私は...


私は顔を上げ、天井を見つめる。まるで天から見守ってくれている純を見返すように。


「私は....前へ進むよ純。貴方の分まで私は生きる。そして...仇を打つ。黒を....そして真をあの処刑台におくってやる...この命に変えてでも、その二人は絶対に殺してやる....」


私は悲しみを超え、復讐心で心が満たされていた。私の生きがいを奪った真、そして玲美と勝治を守るために黒を処刑させる。

私は今までに無いほど心に強く誓っていた。あまりにも強大な復讐心が純を守ると誓った時よりも数倍大きい誓へと変化させた。
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