白と黒ゲーム

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白陣営の一日目終了である二十二時の二十分前、大部屋にいた生徒は美智の指示のもと、各々の個別部屋へと移動していた。

部屋に入り、二十二時まで誰も外へ出てはならない。黒の襲撃警戒の為、二十二時までドアを塞ぐか何かして対応するよう美智に言われた生徒達は彼女に軽蔑の目を向けながら従った。


"従いたくないけど、従わなくてはいけない"というイヤイヤやってる感を全員出していた。

純をあれ程の強引な方法で処刑したが、蓋を開けてみたら味方の白。ただ自分達の味方を減らした行為、自分もあんな風に強引に処刑されてしまうかと思う生徒は脅え、あのやり方に納得の感じていない生徒は静かに怒る。


全員の移動が二十分前という指示は早すぎると生徒達は感じていたが、誰一人それを指摘する者はいなかった。

それは美智の様子があまり良くないように見えたからだった。明らかに精神的に疲れきっており、口には出さないが一人になりたがっているように感じていたからだ。


美智は部屋に全員が入ったのを確認すると、自分の部屋にすぐに入り、ベットに腰を下ろす。色んな思考が頭をグルグルと駆け巡り、ふと視界端に見えた武器庫から回収した凶器をじっと見つめた。

美智は反射する銀色の光に誘い込まれるように凶器の山へと近付き、まるで愛犬を宥めるかのように優しくその凶器の数々を撫でていく。
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