白と黒ゲーム
真は美智の目から初めて目線を逸らし、ポリポリと頬を齧っていた。その反応に美智も少なからず察するところはあった。
「そ、それって....」
「こんな変な事を言ってごめん。忘れていいよ。僕のただの独り言だからさ、ハハッ。
....きっと僕は明日処刑される。あんな事しちゃったし何より....美智さんを傷付けてしまった。だから死ぬ前に言いたいことを言っておきたくて....
明日、美智さんは僕を庇わないでくれないか?それこそが僕の罪滅ぼし...当然の報いだ...それじゃ僕行くね。話聞いてくれてありがとう。」
真は顔に生気を失いながらも、ドアノブに手を触れて部屋を出ていこうとした。
だが、すんでのところで美智がその手をギュッと掴んだ。
「美智さん....」
「...貴方だけの責任じゃないのに....ごめんなさい...本当は分かっていたのにあんな事を....私達は確かに結果はミスをしてしまいました。ですが、取った行動にミスは無いと思います...時には非情にならないといけない、その意味は理解してます。」
美智は鉈を床へ落とし、真の手を強く愛おしく両手で握った。
「だから....貴方は絶対に処刑させません。周りがなんと言おうと、私が守ってみせます。」
「僕が黒かもしれないよ?」