白と黒ゲーム
「それはないと思ってます。黒がわざわざ先導者である私に見捨てて欲しいなんて言わないですし...ま、真君にまだまだ手伝って欲しいことありますし、自らの身を呈して私を導こうとしてくれた恩を果たさないと....」
「...美智さん....名前を...」
真はドアノブから手を離し、覆い被さるかのように美智を抱き締めた。いきなりのことで、ポッと美智の顔が赤くなる。
「愛してるよ美智さん...一年前からずっと....僕は何としてでも生き残ってみせる。この返事はゲームが終わったら聞くって感じでいいかな?」
「...はい。一緒に生き残りましょう....」
美智も優しく呟くように言うと、そっと抱き締めた。二人の決意と身体が正に一心同体となった時、アナウンスが鳴り響く。
"キーンコーンカーンコーン!
二十二時まで残り十分となりました。黒以外の皆様は二十二時までに個別部屋へ入るようお願いします"
「あ、もうこんな時間か...」
真はそう言うと優しく美智から離れ、ニコッと優しく微笑んだ。
「それじゃあ僕は自分の部屋に戻るよ。折角生き残ろうと思ったのにルール違反で死んじゃうなんて嫌だからね。」
「あ、でも....今日はここにいてもいいんじゃないんですか?ここも個別部屋ですし...玲美さんも杏さんが起きなかったら部屋にいるって言ってましたし....」