白と黒ゲーム


私はその建造物の意図が分からず、更に頭を混乱させているとドアが勢いよく開く音がした。

悲鳴と怒号で騒がしかった空間は一気に静まり返り、私の裏から靴の音が聞こえる。

私は息を呑み、汗を垂らしながら出来るだけ頭を回転して振り返ると、黒いスーツの男が一人向かってきていた。

そのスーツ男は私の横を通り過ぎ、クラスメイトの円の中央へ立つとペコりと頭を下げた。


「こんにちは三陽高校二年A組の皆さん。いきなりのことでだいぶ混乱されていると思いますが、私の言葉一つ一つに耳を傾けることに取り敢えず集中してください。
申し遅れましたね。私の名前は山田と言います。」


山田と名乗る男は顔立ちとスタイルが良く、スーツもキッチリと着こなしていた。まるでエリートのような印象を私は受けた。

私を含めたクラスメイト全員は息を呑みながら山田の話に集中していた。


「さて、早速本題に移っていきたいんですが、それには片付けなきゃ行けないことがありますので少々お待ち下さい。質問には後程伺おますので...それではお入りください!!」


山田が大きな声で呼びかけると、私の向かい側の扉から誰かが出てきた。山田へ集まっていた目線はその扉へと移る。

扉から出てきた人物は樹先生だった。教室へ入ってくるいつものようなにこやかな表情で足を進めていた。


「お、おい!先生!なんなんすかこれ!!」
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