白と黒ゲーム
私は心がチクチクしながら、他の生徒よりも早く大部屋に行こうと走った。
大部屋に着くと、案の定私以外誰もいなかった。
私は荒れる息を整えながら自分の席に座り、他の生徒が入ってくるのを待った。
こんなに急いでいたのにも理由があった。一つは朝の全員の様子を見ること、こんな事で黒を見抜けるとは思っていないが、やらないよりマシだと思っての行動だった。
そして二つ目は真の処刑理由の為だった。真が遅めに部屋へ到着したら即刻攻撃して処刑させようとしていた。
この二日目で、杏は黒を見抜くよりも如何に真を処刑させようとしていた。
黒は一日一殺が出来なかったら死亡という鎖がある為、最悪ほっておいても死んでしまう。そして真が黒ではない場合は、黒より先に処理しなければならない。ゲームが終了してしまっては真を処刑させることは出来なくなる為、杏は少し焦ってもいた。
少し経ってからゾロゾロと生徒達が大部屋へと集合してきた。誰しもが杏と目が合うが、昨日の事で気まづいのか、目をなるべく合わせないよう視線を外しながら各々の席へ着席する。
だが、そんな中でも目線を逸らさない二人の人物、玲美と勝治は杏を見つけるとすぐに駆け寄ってきた。
来ている理由は大体想像が着いてる私は、二人が凄い心配性の親かのように見えてクスッと鼻で笑った。