白と黒ゲーム
「杏!その....大丈夫?やっぱりあの晩私一緒に居た方が良かったかな?」
「大丈夫だよ玲美。おかげで気持ちの整理できたし、それでルール違反になって玲美に何かあったら逆に嫌だったもん。」
思ったより普通に対応した私に安堵したのか、玲美の緊迫とした表情が少しだけ緩んだのが分かった。
「そっか....」
「あ、あのよ...杏....すまん。俺がもっとしっかりしてれば....」
「純を救えた?違うよ。勝治に悪い所なんて無かったよ、あるとすれば私。」
「そ、そんなこと」
「あるよ。私がいたから状況が悪くなったのは事実だし....というかその事はいいの。どんなに目を背けたくても私が純の足を引っ張ったって答えしか出てこないから。私自身が一番分かってるし、ちゃんと受け止めて前へ進もうと思ってる。」
二人は何か言おうとしたが口には出さなかった。というより出せないと感じた。ここで何か言っても答えを変えなさそうと感じたのか、私に知る由もないけどそういう風に感じた。
私は大部屋をある程度見回すと殆どの生徒がこちらを気にしながらも集まっていた。だが、いない生徒も二人いた。
扉が開く音が聞こえ、全員の目線が集まる。大部屋に来ていない二人の生徒が部屋に入ってくる。