白と黒ゲーム

美智はハキハキと皆に説明した。学校生活でもあまり見かける事がない美智の立派な姿。
成長したと言えば聞こえはいいが、私にとっては面白すぎない光景だった。



「今日を乗り切れば黒はノルマ未達成で死にます。皆さん、今日が最終日という気持ちを強く持ち、一秒も気を緩めないようお願いします。」


「んな事はいいんだけどよぉ〜。昨日の件、どう落とし前付けてくれんだ?」


そう声を上げたのは立飛。普段からクラスの会議では第一声になりがちだったので、予想出来た展開。

立飛は美智を睨みながら立ち上がるが、美智は珍しく弱みを見せることは無かった。


「昨日の処刑。あんな強引かましたのに白...別に分からなくてねぇよ?俺も人狼ゲームで村人を黒だと思って吊っちまったことあるし。だけどよ...あんな強引して...白を処刑させたのに何でお前は謝罪ってことしねぇんだ?それが気に入らねぇ。」


「謝罪....ですか...」


「そうだよ。もしかして悪いとも思ってないってことか?そう思ってんなら言っとくがな、あんなやり方は誰も納得いってねぇんだよ。」


「....そうですね。昨日の件について触れなくてはいけませんでしたね。」


立飛の怒りに反して美智は至って冷静だった。全員を見回し、ゆっくりと頭を下げた。
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