白と黒ゲーム

「いけませんねぇ安澤 立飛君。あなたは授業中でも騒ぎやすいタイプらしいですね。プライベートでも馬鹿をやってるらしいですし。小さい頃に教えて貰いませんでしたか?人の話はちゃんと聞くって。」


山田はスーツの中からもう一本のナイフを取り出すと、立飛の方へ向かってまた投げた。私達は小さい悲鳴をあげ、立飛は涙目になっていた。
ナイフは立飛の目の前の机に刺さり、立飛はもう声すら上げられなかった。


「さて....話を続けますが、何故皆さんがこんな状態になっているかと言うと、この樹先生のせいです。彼は多額の借金を抱えておりましてね?全額返済の条件の元、皆さんを誘拐するようお願いしたんですよ。」


「はは...すまんな皆。お前らの卒業式見たかったけど、やっぱ先生はそんな事より楽になりたいんだ。」


樹先生は手を振りながらヘラヘラ笑っていた。今まで大好きだった先生を心の底から苛立ちを感じた。それは全員もそうだった。だが、誰も声を挙げられない。あげたら山田に何をされるか分からないから。


「山田さん....これで俺の借金は...」


「ええ。あなたの借金は我々で持ちます。あなたの借金は....無くなりました。」


「は、ははっ!良かったですよ〜本当に。親が残した借金を肩代わりなんてもう嫌だったんですよ〜。いや、お話貰えて本当に助かりました!」
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