白と黒ゲーム
私がいたから純は時間通りに集合出来なかった、私がいたから武器庫にきた人物を捕まえれなかった。それなのに、元道君は何でそう言えるの?」


そう聞くと、案の定元道は少し困った表情になる。だが、思ったより早く口を開かせた。


「....俺って無神経でよ、杏さんが傷付くことをサラッと言っちまうかもしれない....だけど聞いて欲しい。
杏さんは自分を責めすぎてる。確かに、杏さんの行動が正解ではなかったかもしれない、だけど、そんなのは誰にも想像つかない。杏さんは正解だと信じた道をひたすら走っただけだ。」


「だからって、私の責任は変わらないよ?」


「変わらない...だけど、そこまで自分を責める必要は無い。何でもかんでも自分が悪いって言う認識は間違ってる。...純の件は杏さんだけじゃない、関わった俺達一人一人が悪いんだ。
俺たちの分まで責任を背負い込まないでくれ、そんなんじゃ杏さん...きっと耐えられない...」


普段とは想像がつかない元道の発言、それはあまりにも純粋で私の心を強く打った。
心臓が活発になり、血液が頭に必要以上に供給された気がする程、身体がカーッと暑くなった。

私はパタパタと顔を扇ぎ、混み上がってくる熱を何とか冷ましていた。
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