白と黒ゲーム
「それは宜しかったですね。ですが、あなたの借金はうちが用意しますが、お相手さんに送る送金料は契約外なんですよ...まぁ、それもこれでチャラにしときますね。」
バァン!!!
突然銃声。私は声も挙げられず耳を塞ごうとする暇すら無かった。山田は銃を片手に持っていて銃口からは煙がたっていた。
樹先生は顔が固定しながら、横へ倒れていき丸い眼鏡が特徴の四津 有梨の机に頭が置かれた。
ただ一点を見つめたまま樹先生の顔は変わらず、ズルズルと机から離れて床へ倒れた。頭からはどくどくと血が流れ、真っ白な床に赤い池が作られていく。
有梨の顔には先生の返り血が付着していた。顔を真っ青にしガタガタと身体全体を震わせていた。
「あ....ああ...いや....いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
耳が痛くなるような悲鳴をきっかけに周りが声を上げ始めた。立飛がナイフで刺されかけたのを完全に忘れ、樹先生が撃たれた事の恐怖と衝撃しか頭になかった。
私は死んでしまった樹先生を見て吐き気に襲われた。手を添えられず、苦しく悶えた。
嘘でしょ...し、死んだ?死体なんて初めて....
バァン!!!バァン!!!
二発の銃声、周りの騒ぎも一瞬に収まり、私は吐きそうになるのを堪えながら、辛うじて山田を見た。