白と黒ゲーム
納得しても納得したくないようにモジモジしている美智に凛はため息を吐きながら近ずき、ボソボソ耳元で囁いた。あまりにも小さい声で聞き取ることは出来ないが、美智が驚愕しているのを見て、あまり平和的な事を言っていないのは感じ取れた。
「....わ、分かりました...私も行きます。皆さんは待機してて下さい....何かあったら保健室へ...」
殆どの人が美智が怯えている理由を知らず、ぞれぞれ困惑の表情の中、凛はフッと鼻で笑っていた。そんな凛は頼りがいがあるように見える反面、今の状況下では不気味にも感じ取れた。
私達五人は大部屋を後にし、保健室へ入った。保健室にはベットが三つ設備されていたので、私と元道は真ん中を開けて端に寝かされた。
背中をフカフカの布団に預けるだけで、自然と心と身体が落ち着いていく。先程までの喉に引っ付いたような吐き気は徐々に腹の底へ帰っていく。
「どう?少しは楽になった?」
「うん、ありがとう玲美。その....ごめんね...私....また迷惑かけちゃった....」
「いいのいいの。私がもしダメになっちゃったら逆に世話してもらうんだから、その時はお願いね。頼りにしてんだから〜。」
玲美は相変わらずの陽気な感じで私の頭を軽く叩く。そんな事だけで私の心は救われる、気が楽になっていく。