白と黒ゲーム
自然と涙が出そうになり、目がかゆいフリをして玲美に見せないようにした。
これ以上...迷惑はかけられない....玲美は純の時にも...いや、普段から助けられてばっかなんだ。これ以上私なんかが迷惑かけられない....かけちゃいけない...
「...さてと、そっちはどう?」
「まぁいいんじゃない?こいつに限っては湿布でも貼っとけばなんとかなるでしょ。」
凛は適当なことを言いながら、ビンタするかのように元道の頬に湿布を貼った。元道は痛むのか、悶絶していた。
「お、お前な....それ怪我人にすることか?」
「他の人にはしないけど、あんたはいいんじゃない?それとも...両手使って優しく貼ってあげようか?」
凛は両手の指をクネクネ動かせながらニヤニヤしていた。元道は目を見開き、すぐに目を逸らした。
「ぜってぇやだね。気持ち悪くて仕方がないわ。」
「女子に言うセリフじゃないね〜。そんなんだから杏にこ」
「や、やめろ!!悪かったって!俺が全部悪かったよ!!はいはいはい湿布貼ってくれてありがとうございました!!」
「うん、どういたしまして。」
まるで熟年夫婦みたいなやり取りを見て、私を含め三人ポカーンと口を開いていると、それに気付いた凛は珍しく顔を真っ赤にした。