白と黒ゲーム
「そんな訳にはいかない!少なくとも関与はしてたんだし...だから、俺....杏さんを守ってみせる!迷惑かけた分、俺が絶対に....」
元道は自分の言葉を噛み締めるように声を張りながら話した。元道の言葉に私達は呆気に取られていると、元道の顔は急に赤くなり、大きなガタイを縮こませた。
「あ、いや...す、すまん....何か変なこと言っちまったみたいで....」
「あ、そんなことないよ。少しビックリしただけで....ありがとう元道君。」
そう声をかけると、元道は少年みたくモジモジしながら嬉しそうな表情になっていた。それを凛がニヤニヤしながら茶々を入れており、なんだかこっちまで温かい感情に満たされていた。
すると視界端に足を揺さぶっている美智の姿が見えた。保健室のドアを見ながら、ソワソワしているような感じだった。
「...美智さん....大部屋の方が気になるの?」
「へ?あ、まぁ...そうですね。あっちには私みたいな監視できる人はいませんから....真君にもしもの事があったら...」
「え?ま、真"君"?」
私は美智の口から出た違和感を聞き逃さず、ポロッと言葉に出した。
美智はそれに素早く反応し、顔を真っ赤にした。
「あ!い、いいえ!なんでもないです!と、とにかく身体が良くなってきたらすぐに言ってください!」