白と黒ゲーム
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
そのアナウンスと共にまた出現する壁と液晶画面が出現する。嫌な思い出しかない「投票」。不安は少なからずあるが、「追加会談」のおかげでそこまで苦しくなかった。
"全員の投票を確認出来ました。投票結果を発表します。
佐藤 玲美....一票
遠藤 七愛海...二十九票
遠藤 七愛海の処刑が決定しました。「処刑」へ移ります。遠藤 七愛海、処刑場へ登壇して下さい。"
玲美の名前が出ず、私は心底ホッとした。だが、七愛海を生け贄にしたという事実に私は何とも言えない感情になった。
七愛海は目を見開き、プルプルと黒目を動かしていた。
「嘘....こんなのって....」
ガシャンッ!
"遠藤 七愛海、処刑場へ登壇して下さい"
七愛海の心情を気にもしない冷徹なアナウンスが聞こえる。人情の欠片も感じないアナウンスに私は怒りを覚えていた。
七愛海はゆっくり立ち上がると、スピーカーに向かって言い放った。
「嫌だ....こんなの意味分からないよ!私は白なのになんでよ!!こんなの認められない!!」
七愛海はキッと栄一を睨みつけ、栄一は目線を合わせようとせず下を向いていた。