白と黒ゲーム
「小木 純君。分かってないですね。ここでは私が全てを握っている。君の命も....言葉を慎み給え。」
現れてから笑っているか無表情しか見せていない山田は、純海を睨みつけた。
優しい口調が一気に場を凍らせるようなドスの効いた口調。
刃物よりも鋭いその睨みに、純は声を出すことが出来ず唾を飲んだ。
「さて...じゃあ医療班!お願いしま〜す!!」
山田が声を上げると、後ろの扉から二人の黒スーツの男が現れた。手にはタオルとドラマでよく見る銀色の長いハサミのような医療器具を持っていた。
すると突然、私は首を絞められた。隣に立っていた黒スーツの女性が私の首に腕をかけ、頭を手でガッチリと掴んでいた。
外そうと手で女性の腕を掴もうとするが、ピッタリとくっついて、上手く指を引っ掛けられなかった。
だが、絞め落とそうという訳ではなく、あくまで私を固定する為だと私は理解した。大して息苦しさはなく、視点は悶絶してる七愛海の方へロックされている。
そして七愛海のすぐ隣の純も同じ事をされていた。
一体なんの為にこんなこと...
医療班と呼ばれて来た男の一人は肩を抑えていた七愛海の手を引き離し、椅子の後ろへ無理矢理もっていった。