白と黒ゲーム
「そうだね。あ、ごめんね?引き止めちゃって。それじゃあね〜。」
私はドアを開け、ヒラヒラと美智に手を振ると、美智はぺこりとお辞儀をして走って自分の部屋へ向かった。
私はそんな美智の背中を見て、微笑みながら部屋に入った。
すると、私の足に何かが引っかかる。声を上げる暇もなく体勢を前に崩し、何故か床へ落ちている枕に顔面ダイブした。
部屋の枕はモコモコしていてお気に入りだった。だが、顔が枕に当たって感じたのは癒しではなく激痛だった。
顔面全体に小さい何かが深く刺さる感覚を瞬時に理解する。鼻や口は勿論、目にも激痛が走る。
「ッッッッッッ!!!!!!!!」
枕に埋もれているため、部屋に鳴り響く絶叫が枕に集中される。私は急いで枕を抑え、顔を上げた。顔面の痛みが強烈すぎて、両手で顔を抑えながら発狂していた。
「痛ッッッッッッ!!痛い痛い痛いいいいいいい!!!!」
状況が全く把握出来ず、これからしなければいけないバリケードのこともすっかり忘れ、私はジタバタと転がり暴れた。
息を切らしながら目を開けようとしたが、右目が痛すぎて開けれなかった。自然に溢れ出ている涙を拭き取りながら、状況を必死に理解しようとした。