白と黒ゲーム
私は山田に訴えるが、山田の心には何も届いていないのか、ニコニコしているだけだった。
「止めさせる?とんでもない。さっさと取っちゃった方がいいんですよ。我々も暇じゃない。早く始めたいんですよ。
それにこんなんで死んでもらったら困るので、もし死にそうになったらちゃんと蘇生術をやりますし、器具も揃ってる。安心して下さいね。」
七愛海の叫び声に耳と心を痛ませながら、私は見ることしか出来なかった。
七愛海の地獄のような時間は数分後に終わった。七愛海の肩はタオルで血を拭き取られ、包帯を巻かれて終了。
取り除いた銃弾を持って男二人は退出した。私と純海も解放された。
七愛海は力尽きて机に頭をゴンとのせた。息はしているが、色もなく生気が感じられないその顔に私はゾッとしていた。
「あぁ〜....もうこんな時間だ。皆さん、さっさと飲んで下さい。今度撃つ場所は頬ですからね。撃たれたい人は飲まなくて結構、撃たれたくない人は飲んで下さい。」
山田の脅迫に誰も逆らえなかった。七愛海の事が頭にチラつき、自分が撃たれ、さっきのような無理矢理の手術をさせられるのが目に浮かんだ。
私は紙コップに注がれた透明な液体を見て、唾を飲み込む。