白と黒ゲーム
毒かもしれない....毒じゃないと言ってたけど、ただの水とも言わない...何か入ってるのは確実....
私は紙コップに手を添えると、覚悟を決めて勢いよく口に入れて飲み込んだ。
口の中が激痛に侵され悶絶、突如お腹痛くなって発狂するような自分がチラつくが、何とも異常はない。
「え?....た、ただの水?」
私は他のクラスメイトを見るが、飲んで変化があったのは誰一人もいなさそうだった。
「今度はすんなり飲んでもらって良かったです。皆さんが今飲んでもらったのはただの水ですが、この中の一人にはある薬が混ざってます。無味無臭なので気付くのは無理ですね。」
「あ、ある薬だと?....何の薬だ!?」
立飛は口をブルブルと震わしながらそう言った。
「...その薬は"狂気の薬"とでも言いましょうかね?」
「狂気の....薬?...」
「えぇ。個人差はありますが、数時間後に人を殺したくて殺したくて堪らなくなります。」
「....なんでそんなもん投与すんだよ...しかも一人だけにって....」
純がそう聞くと、山田はパンッと手を叩き、ニコッとしながら純を指さした。
「よくぞ聞いてくれましたね純君!ゲームですよゲーム。そしてゲームでもあり実験でもある。この薬が被験者にどういう影響を及ぼすのかのね。