白と黒ゲーム

自分の好きな本ばかりがあると思っていた本棚には、一冊だけ見覚えがない本があった。
真っ黒で題名もない薄い本が紛れ込んでいた。

私は不思議に思い、その本を手にして開いた。
文章が書いてあるのが数ページに、何か物が入っている「特典」と白い文字で書かれているの黒いビニール袋があった。

私はビニール袋は一旦置いといて、本の内容を見ることにした。そして、一ページ目を見た時この本がどんな本なのか私はすぐにわかった。


「...白と黒ゲームの本....」


その本にはゲームのルールや役職が書かれていた。白陣営、黒陣営、そして終了者。私の中で一番引っかかるのは終了者の存在。ただ「狂気の薬」の実験なら白陣営と黒陣営でいいはず。


「...何か別の目的が?....全然分かんないや....だけど、このゲームを考え出した人は相当のイカれてる人ってだけは分かった。」


白陣営と黒陣営の特殊役職の能力は殆どが自分の死、あるいはリスクを伴っている。自分を犠牲にして他人を助けるシステム。読めば読むほど胸の中のモヤモヤが大きく膨れ上がっていき、私はその本を力強く閉じてドアに向かって投げ捨てた。

手元に残っているのは黒いビニール袋。恐らくゲームに関連している袋。
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