白と黒ゲーム
私はそのビニール袋をゆっくりと破り、中に入っていた物を取り出した。
ビニール袋の中にはDVDが一枚、そして「役職」と書かれた小さい白いビニール袋だった。私はDVDを一旦置いて、白いビニール袋と向き合う。
ゴクリと唾を飲み込む。今までの中で一番ねっとりとしていて飲み込みずらい。吐き気すら覚えるような異様な空気が漂う。心臓の鼓動がまるで自分を追い詰めるかのように早くなる。不安で推し潰れそうになり、次第に手がプルプルと震え始めた。
見たくない。だが見なくてはならない。
白いビニール袋を掴み、ゆっくり開封する。呼吸が荒れて汗が垂れてくるのを感じた。
指をビニール袋の中に入れ、その中にあったカードをゆっくりと引き出す。
徐々に姿を現すカード。イラストが少しづつ見えてくる。イラストは白い人形のようなものが立っていた。
そしてそのイラストの下に「白」とだけ書かれていた。
「はぁ...はぁ....はぁ〜〜心臓に悪いって本当に....はぁぁぁぁ...」
極度の緊張から解放され、溜まっていた息が一気に放出された。ため息すると幸せが逃げると言うが、ため息を我慢していると身体が病気になりそうで知ったことではなかった。
カードの裏面には「直ぐに処分して下さい」と書かれていた。