白と黒ゲーム
一日目
消えた生徒
キーンコーンカーンコーン!!
チャイム音が響き、私はゆっくりと自分の体温で温まった布団を出た。昨日の出来事が頭から離れず、頭がクラクラするのを感じる。瞼が降りたがっているが、降ろしたところで眠気は湧かなかった。
ふと壁にくっついている歯車デザインのオシャレな時計を見ると、九時五十五分。ゲーム開始と言われている十時の五分前だった。
『ザザ...あーあー聞こえていますかね?皆さんおはようございます。ゆっくり眠れましたかね?』
天井に貼ってあるスピーカーから山田の声が聞こえてきた。私は声が聞こえただけで腹が立ち、スピーカーに向けて鋭い目線を当てる。
ゆっくり眠れた?全っ然眠れないんだけど!!眠れるわけないじゃんこんな状況で!!
私は枕を手にしてスピーカーに向けて怒りをぶつけるように投げた。枕はポフッと柔らかい音を立てるだけでスピーカーは当たり前だが壊れる様子すら無かった。
『これから朝一に昨日のあらすじ及び、夜あったこと、そして黒陣営が企んでいる事を遠回りにお伝えしたいと思います。簡単に言えば白の手助けメッセージみたいな感じですね。
ただ、今日は初日なので昨日のあらすじは含みませんよ〜。』