白と黒ゲーム
私は玲美を睨みつけた。玲美の言い方は純が指定されて処刑されてしまうのを前提としたような言い方だった。そう解釈してしまうと、自分の中から黒い何が溢れてくる。普段ぶつけることの無い負の感情が制御出来ずにいた。
「なんでそんな事言うの?純が生きる道をなんで探そうとしないの!?朝一番に央土君が死んでたらそれは純のせいじゃない!なんで無実なのに指名されなきゃいけないの!!」
私がそう強く言い放つと、玲美は顔をハッとして顔を更に暗くしながら目線を外した。
私はそれを見て、心がえぐられるような感覚になった。
私って最低...玲美はそんな気無いはずなのに....
普段だったらこんな事口が裂けても言わなかったのに...何なのこの施設....早く皆と出たい...
私は体育座りをして溢れ出てくる涙を隠した。一度出て来たらもう止められなかった。自分達が置かれている環境、今の現状、これから起こりうる未来、ここに居て感じていた全てのストレスが涙となって現れた。
すすり泣きしていたが誰も声をかけてこなかった。玲美は勿論として、周りのクラスメイトも今のやり取りを見ていたからこそ声を掛けられなかった。
何故?それは皆、玲美と同じ思考だったからだと私は解釈してしまう。