白と黒ゲーム
握らずには居られなかった。罪悪感が膨れ上がり、純が無実という事を証明出来そうになく、私には純の手を握るくらいしか出来なかった。そして、そんな自分の無力感にも私は辛くなる。
「ごめんね...純....私のせいで...本当にごめん....ごめん...」
私は純の顔を見ることが出来ず、卑怯な事に顔を伏せて目を瞑りながら謝罪した。純の目を見てしっかり現実と向き合ってからこその謝罪、それが私にはできなかった。
純は私の謝罪に何を言うでもなく、逆に背中を摩ってくれた。無言で優しい手で私を慰めてくれた。そんな優しさがどんな罵倒を受けるよりも私は辛かった。
「....ここですね...」
美智が呟くように言うと、ぴたりと足を止めた。それに沿って私達の足も止まり、部屋のドアへと全員の目線が移った。
私は目を開け、涙で歪んでいる視界で結果を見ようとした。
美智の手がドアノブへと手がかかる。
心臓が跳ね上がるのが分かる。
真が憎ったらしくニヤニヤと純の方を見る。
今の私は怒りすら感じない、ただただ辛い。
美智は一息つけるとゆっくりとドアを開けた。
自然に私は両手を合わせて祈っていた。
ドアが完全に開き、全員が覗くようにして部屋の中へ目線を移す。