白と黒ゲーム

玲美と好きな音楽グループが一緒ということで仲良くなってから私も話し出すようになった男子だ。

そして勝治の横に座っている男子。腕組をしながら目を瞑り、頭をカクンッと何回も動かしている。名前は小木 純。私が片想いをしている男子だ。

二年になって同じクラスになり、たまたま席が隣だったのが始まりだった。いつも眠そうにしているのが特徴で、よく教科書とかを忘れてしまっている。それでよく見してあげたりして、会話もするようになり、気が付いたら好きになっていた。

いつもとは違う角度で見る純の姿に見惚れていると、玲美はニヤッとしながら肩を叩いた。


「で!で!どうすんのよ?修学旅行中で告白するんでしょ?どのポイントで告白するつもりなの?」


「ちょ!ここで言わないでよ...他の人に聞こえたらどうすんの....」


私は慌てて声のトーンを下げ、玲美は笑いながら手を合わせて謝った。ため息を吐きつつ、修学旅行の栞に目を通した。

今日は待ちに待った修学旅行。空港までバスで行き、そこから飛行機で沖縄へ行く予定。
飛行機に乗って他県へ行く機会なんて滅多にない上、初体験なクラスメイトも多い。
全員が全員とは言わないけど、私も含めて大いに楽しみにしていた。

そして、私にとってはいよいよ告白する日。そう考えるだけで心臓の鼓動は止まることを知らない。
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