白と黒ゲーム
玲美の作戦
私達は大部屋で待機していた。央土の行方が分からない故に捜索が必要だが、皆で手分けしてやっていたら黒が上手いように隠してしまう可能性もある為、捜索は先導者である美智だけしていた。
大部屋は賑やかだった。まるでいつもの教室のように笑顔で話している様子も見れた。だが、何人かはチラチラこちらを見て気にされていた。
正確には私の隣に座っている純に対してだった。最黒の対象者の純、セーフティータイムは安全と分かっているが、その動向が気になってしょうがないクラスメイトもいた。
純は抜け殻のようにボーッと天井を見ていた。何を考えているのか分からないその姿は、傍から見れば観念したと思われるだろうが、私からしたら純は単純に疲れたと感じた。
慣れない状況、全員からの疑いの目を当てられ距離を置かれてしまう。身体的にではなく精神的にだいぶ疲れていた。
私は声をかけようとするが、何を話しかけたら良いのか分からず、情けないことに身を引いてしまった。
すると、それに気が付いた勝治が背中を少し強めに叩いた。
私と純は共に目を丸くして勝治を見ると、勝治はニコッと笑っていた。
「らしくねぇぞ純。お前がそんな感じなのはお宝映像だけど、そんなん見せられても俺が調子狂う。しっかりしてくれよ?」