白と黒ゲーム
「....え?」
「だってテストはいつも高得点で、学年通しても一桁代じゃん。流石はお医者さんの子供って感じがするよね。」
「まぁ...そうだけど....何で今この話を?」
不思議そうに見つめる玲美の手を私はぎゅっと握った。驚く玲美を私は真剣に彼女の目を見た。
「お願い玲美、力を貸して。無理だと思ってるかもしれない、自分の命が助かるからと思っているかもしれない、だけど...お願い....
こんな訳の分からないところで、ありもしないことで犯人扱いされて...そんなことで純を失いたくない....私は...この施設を出てから想いを伝えたい。そして一緒に....だからお願い玲美。純を助ける手助けを!」
私は頭を下げた。私はここまでの人生、目につくような悪さをしたことが無い。頭を下げる行為なんて手で数えれるレベル。
本気で頭を下げるなんてしたことも無い。
だから、私は強く感じる。頭を下げるという行為の意味と重みが。どうしようもない成れの果てと言ってもいい、そして断られては万事休す、そんな瀬戸際にいるのだと。
目をギュッと瞑り、玲美の一言を内心ビビりながら耳を傾けた。だが、玲美の次のアクションはクスクスとした笑い声だった。予想だにしていない現象に私は訳が分からず、バッと顔を上げた。