白と黒ゲーム
「陽動だよ、よ・う・ど・う!そうすれば全員の目線がそっちに向くし、他の場所にいた人も気になってくるはず。そしたら、黒にとっては理想の展開。皆が食堂の二人に気が向いている間に武器庫へ行くはず。
私と杏は食堂には行かずに、その隣の部屋で隠れる。んで、呑気に来た黒を確保!最悪顔は見る!これでミッションコンプリート!!」
玲美は元気よくピースサインをした。私達の目に輝きが戻った。絶望な状況だったが、今には希望に満ち溢れる。
やれる!これなら純が黒じゃないって証拠が作れる!!でも...
私は一つ気掛かりな事があり、申し訳なさそうにゆっくり手を挙げた。
「でもさ....この大部屋二つ出入り口あるよ?ここから出る時に散らばっちゃうんじゃ...」
そう言われ、玲美は床一点を見つめて考えてくれた。その時に疑問しか投げられない私は少し罪悪感を感じる。
「う〜ん....そうだよね...なら仕方がない。純と勝っちゃんのペアは外せない。食堂でいきなり会って喧嘩なんて不自然過ぎるし....二人の方には杏が行って。もし、別の方から出る人がいたら私がそっち行くよ。それで武器庫の隣の部屋で集合って形がベストかな?これでいい?」
玲美の問いに私達は異論は無く、頷いた。
そこから微調整がてらに何回か作戦会議をしていると、大部屋のドアが開く。