白と黒ゲーム
ここでの関門は二つある。一つは各々の自由行動が許されること、二つ目は武器の押収を口に出さない事だった。
純が黒確定で皆の目線もある為気にしないのか、はたまたただ単に存在を忘れているのかは分からないが、今の状況で一番頭が切れる真がそれを口にしなかったのは不幸中の幸いだった。
美智は腕組みをして悩んでいた。全員がその次に口にする言葉に意識を向けていたが、私達はそれ以上に集中し、心の中で必死に願った。
お願い!純にチャンスを!純は黒じゃない!!お願いします!お願いします!!
私は無意識に手を小さく合わしてぎゅっと握っていた。美智の気分次第で状況は真反対に変わってしまう。
ようやく考えついたのか、美智は目を開いてゆっくりと口を開く。
「....それじゃあこれからは自由行動ということで解散します。セーフティータイムが十六時までなので十分前には大部屋に集まって下さい。」
私は小さく力強くガッツポーズをした。他三人を見ても全員が同様の笑顔、作戦実行のスタート位置につけたのでこれは当然の反応だった。
そして一息つける間もつけず、勝治と純は立ち上がり、出入り口の方へと歩いていく。
「なんだいなんだい?何を急いでるんだ?まさか....央土の居場所を教えてくれるのか?」
「言ってろバカ。飯だよ飯。腹が減ってんだよ...」