白と黒ゲーム

それにつられてなのか、目的地が同じなのか、後をついているような生徒は誰も散らばることなく、食堂方面へ歩いていく。


大部屋には二つの出入口、そしてその二つの前には二階の個人部屋へ繋がる階段がそれぞれ一つづつ。一階は大部屋に沿うように何室かあるが、この施設には少なくとも三十二人いても窮屈には感じられない施設。
一周回るのに何分かかかる大きさ。

食堂は純と勝治、私のグループが出た大部屋の出入り口からは近い方。仮にその出入り口を北口と呼ぶのなら、食堂は北東だ。

目的地の武器庫は南東の辺りに位置していて、食堂との距離はそこそこといったところ。


そこまで考えが行かなかったけど....玲美の方が大変そうな気がする。こっちは皆食堂の方へ行ってくれてるけど、あっちはどうなんだろう...


私が玲美のことを気がかりしている内に、私達は食堂へ着いた。純と勝治が中へはいると、それに続く生徒もいるが、その先へ歩いていく生徒もいた。
私は当然はぐれた方へ向かった。


前を歩いているのは三人、飛立と蓮と飛丸だった。何気ない話しながら歩いているのを見ると、この先にある東の位置するトイレへ向かっているようだった。



「ね、ねぇ飛立君。」


私が声をかけると、三人はピタリと止まり、私の方を見た。何か怪しい印象もなく、ただ呼ばれたから立ち止まったという感じだった。
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