白と黒ゲーム
「...そっか....でも切り替えてこ。ここで黒を捕まえれば全部チャラ。
それにしても、本当に馬鹿とアホのコンビよねあの二人。何で喧嘩の発端がカレーなのよ。馬鹿馬鹿しいと思わない?」
玲美はニカッと笑いながら私に言った。全く同じ考えだった事に私もクスリと笑いをこぼした。
「全く....でも、だからこそ友達なのかもね。」
「そうだよね、似た者同士って感じ。さぁ、ここから踏ん張りどころだよ。黒は絶対に逃がさない。私達で純を助けよ!」
玲美は手を差し伸べてくれて、私は頷くと同時に力強くその手を握った。玲美にも真剣さが伝わってくる。だからこそ感じる、本物の友情を。
それから体感的には三分くらいたち、食堂からの物音も聞こえる中、少し集中力が途切れそうな時にその時は来た。
カツンッ...カツンッ....カツンッ....
足音は食堂の物音に掻き消されそうな小さい音だった。だが、私達からすればそれは十分すぎるほど大きかった。
絶好の獲物が自分達の罠へ引っかかってくれた、正にハンターのような緊張感だった。
「...玲美....」
「しっ!...まだ決まってない。武器庫を普通に通り過ぎるだけかも....」