白と黒ゲーム

心臓の鼓動が激しくなるのが感じる。その高鳴りが響き、廊下にいる人物に聞こえそうで怖くなり、私は音と鼓動を押さえつけるように両手で胸を抑えた。


玲美も凄い集中しているのが目に移った。目を細めて、すぐにでも動けそうにしていた。


カツンッ...カツンッ...................トンッ...


足音は止まり、金属の扉に手を触れた音が聞こえた。
心臓の鼓動がバクバクからドッドッドッというようなエンジンがかかるような重量感ある鼓動へと変化する。


「れ、玲美...これって...」


「入るまで....入ったらそれは確信犯...それまでは....」


私達は待った。廊下にいる人物が武器庫の扉を開くその音を。私は玲美の身体に触れない程度ですぐ背後へいた。いつでも飛び出して、その人物を捕まえるためだった。

だが、いつまで経っても開く音は聞こえない。それどころか....



.......カツンッカツンッカツンッ



最初の時より足音が早く、そして遠ざかっていく。私は頭が真っ白になり、何が起こっているのか分からなかった。

だが、玲美はそんな事無いのか、舌打ちをすると勢い良く部屋を飛び出した。


「そこのあんた!止まりなさい!!」


玲美につられて部屋の外へ出ると、廊下には一人の人物。
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