白と黒ゲーム
私達三人の意見が同じという事を予想していたかのように、玲美はニコッとしながら何度も頷いた。
「うんうん、そうだよね。分かった。じゃあ皆、最後の一分一秒足りとも気を振り絞ってね。休むのは就寝時間!頑張って純の無実を証明しよう!」
私達は誰が言うでもなく、自然に全員手を合わせた。今、心がひとつになっている気がして、私はとても心強かった。
それから私達は食事をすぐに済ませ、各々別の行動へ移った。
私は生徒の監視というより、作戦失敗のせめてもの償いの為に動いていた。あることを確認する為、私は目を凝らして探していた。
時計を見ると、セーフティータイム残り時間十五分に差し掛かっていた。
十分前には集合と美智に言われている。今度こそそれを守らなかったら、更に疑いという名の沼に深く足を突っ込むことになり、弁解がより一層困難になるであろうことを予想していた故、私は焦っていた。
だが、どの部屋を見てもそれは見つからない。諦めていたその刹那、最後に見ようと思った部屋にそれはあった。
「はぁ....はぁ...やっと見つけた...黒はここで....」
私は確認を取ると、すぐに急いで大部屋へと走った。これが逆転の兆しになるかは分からないが、手ぶらで処刑会談を迎えることは無くなった。