白と黒ゲーム

「う〜ん....もしかしたら誰か見たかもしれないし、状況によっては結構良い一打になるかもしれないよ。」


私は玲美のこの発言を聞けただけで、天にも登るような気持ちになった。


ここに来てから私は足を引っ張ってばかりだった...ゲーム開始前、純を引き止めてしまった。朝、純を治療する為に保健室へ。そして黒捕獲作戦でミス。
そんな私が初めて役に立てた....それは規模が小さいかもしれないけど、嬉しい...


私は内なる歓喜に浸りながら残り時間まで話し合った。処刑会談で純が指名されないよう、出来る限り最後の一秒まで無駄にしないように。


"キーンコーンカーンコーン!!
セーフティータイム終了となりました。"


私達はそのアナウンスが入ると、最初の時のように女子は部屋中央へと集まった。ここから先は打ち合わせが出来ない。頭の中で何回もデモンストレーションをしながら、ただ運命の時が来るのを待つだけだった。


特に何かアクシデントが起きるわけでもなく、ただ二時間という時間が流れていき、その時は必然とやってきた。


"キーンコーンカーンコーン!!
十六時となりました。これから処刑会談を開始します。皆さん、大部屋の指定席のご着席お願いします。
一分後、ご着席が確認されなかった方はその場で処分とさせていただきます。"
< 89 / 205 >

この作品をシェア

pagetop