白と黒ゲーム

処刑会談の時間、分かってはいたものの、来たらきたで心臓の鼓動が激しくなっていく。息がしずらく、すぐにでもこの場を逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。

私は固唾を飲み込みながら、皆と同じく自分の席へと着席する。


すると、椅子から半円状の金属が腰あたりから両方伸びてきて、私のへそ辺りでがっちりと合体した。
試しに手で引き離そうとするが、当たり前のようにそれは動かなかった。


周りを見ると全員がその様子で、一分という長いような短いような時間を静かに過ごした。


"時間となりました。これより処刑会談を開始します。流れは「会談」「投票」「処刑」の順序で進められます。

最初の「会談」です。時間は最大三十分ですが、早めに終了したい場合は、現在先導者と言われている稀代 美智さんの机にボタンを設置致します。それを押せば「会談」終了となります。"


美智の白いテーブルの一部がへこみ、そこからボタンが出現してくる。赤くて丸いボタン、よく見るクイズ番組のようなボタンだった。


"それでは「会談」を開始します"


ビーッ!ビーッ!ビーッ!


何かの警告音のような音が鳴り響き、音が消えると静寂が訪れた。つまり、今の警告音がスタートの合図というのに気が付くのは難しくない。
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