白と黒ゲーム
「よし....始まったみたいだけど、結局央土がここにいないってことは殺された確定か。じゃあもうボタン押してもいいんじゃない?純決定でしょ。他に変なやつがいれば話は変わるかもしれないけど。」
案の定、最初に声を上げたのは真。ニヤニヤと殴りたくなるようニヤケ顔には腹が立つが、純の無実を証明出来る可能性がある余裕のおかげか、過剰反応せずに済んだ。
「ちょっと待って。純は黒じゃない。」
そう声を上げたのは玲美。まるで発表会の発表者のようにキリッと落ち着いた表情をしていた。
「そう言われてもな〜。純以外に怪しいヤツが」
「いるって言ったらどうするの?吉田君。」
玲美はニヤッと笑いながら真に挑発的に聞く。真はピクっと眉を動かし、表情が固くなる。
「まぁ....話だけは聞くかな?」
「了解。じゃあ、杏。お願いできる?」
いきなりの名指しで私はブワッと汗が吹き出る。反射的に立ち上がろうとしてしまい、金属が腹にめり込んで少し痛かった。
「え?え?わ、私?」
「うん、杏がやるべきだと思う。杏の手で純の無実を証明してあげて。」
玲美にそう言われ、困惑しながら純を見ると、純は口パクで「頼んだぞ」と親指をグッと立ててくれた。