白と黒ゲーム

私が....私が純を助ける為に....失敗したら?いや、そんなこと考えちゃダメ。私が純を救うの!今まで迷惑かけたからこそ、私がやらなくちゃ!


私は唾を飲み込み、全員の方へ強い目線を当てながら口を開く。


「...まず、物事が全て必然とは思わないで。偶然だってある。純が山田に殴られたのは何かしらの深い意味が必ずしもあるとは思わないで。」


「あったらどうすんだ〜?ん?」


真は私を煽るように質問する。私は握り拳を作りながら、何とか耐えた。


「可能性の一つと思って。もしかしたらあるかもしれないし、ないかもしれない....とにかく、そんな先入観を捨てて私の話を聞いて欲しい。

...私と玲美は黒と思われる人物を見たの。勿論、純じゃない別の誰かを。」


さっきまで私の声しか響かなかった大部屋は、次第に他の生徒の話し声も混じってくる。ザワザワと波のように話し声が聞こえ、もしかしたら自分ではないかと顔を青くする人もチラホラ見えた。


「....じゃあその人物って誰だよ?」


「まず、流れを説明させて。私と玲美、純と勝治である作戦をしたの。黒を捕まえる作戦。
勝治と純の喧嘩、あれは黒の油断を誘う囮。あの時、怒鳴り声が聞こえたら、殆どの人はそっちに意識が行く。その隙に、私と玲美は武器庫の近くで隠れたの。」
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