白と黒ゲーム
「...なんで姿を確認できなかった?おかしいだろ。特徴だけ知ってて顔知らねぇとかよ。」
ここで声を上げたのは立飛。肘を机に付けて、退屈な授業を聞いているように手に頬を乗せながら聞いてきた。
この余裕からして立飛君じゃなさそう....最初は確かに不安そうだったけれど、恐らく立飛君は飛丸君と蓮君と一緒に居たからアリバイは完璧なんだろうな...
「黒いマントを着てたの。だから身長や体型くらいしか情報がない...そうだ。その事で皆に聞きたいことがあるの。この施設にある映画部屋、そこに入った人、或いはそこから出てくる人を見た人はいる?」
「え、映画部屋ですか?....なんでそんな所が...」
映画部屋とは施設内にある娯楽部屋の一つ。部屋全体は薄暗く、大きなスクリーンで時間設定されている映画を見ることが出来る。
そのクオリティーは映画館にも劣らない程のものだった。
「私はセーフティータイムで黒が着ていた黒マントが何処から取ってきたものなのか探したの。そして見つけた。
映画部屋の映写室、そこの黒カーテンが一枚だけ不自然に無くなってたの。恐らく、黒はそのカーテンをマント代わりに使っていた....」
「あっ、それなら私がいい?丁度いいからね。」