欠けてるあなたが大好きです。
「咲雪ちゃん、
あんまりかまってあげられないかもだけど
ゆっくりしてってね。」
「…いいんですか?」
「お客さん優先にはなるけど、
ショウキと咲雪ちゃんの料理の話って
なんかおもしろそうだしね〜。」
どうやら居てもいいみたい。
ほっと胸をなでおろす。
「とりあえず今の時間帯なら
ごはん系頼む人もいないだろうし、
フウくんはショウキと代わってきてくれる?」
「はーい。」
諒くん…もといフウくんがロッカーを開け荷物を置き、
中からカフェの制服を取り出す。
そして自身が着ている白シャツのボタンを外しはじめる。
外しはじめる…?
「わたし、一旦外出ますね…!」
先程使った質素なドアから勢いよく外に出る。
じわっと湿度の高い空気が体にまとわりつく。
なんでわたしがいるのに着替えようとするの…?
着替えは異性に見られちゃ恥ずかしいし、
気にするもんじゃないの…?
あれ?もしかして
わたしの常識がおかしかったりする…?