欠けてるあなたが大好きです。

ガチャッ。


「咲雪ー?もういいぞー。」


諒くんが顔だけドアから出す。




何も返事をしないで中に入る。



「ごめんね咲雪ちゃん。

 ミユも普通に俺らの前で着替えるから

 そーゆー感覚麻痺してるんだわ。」


つづるさんがかるーく謝ってくれるけど、

衝撃的な事実を聞かされそちらに気がいってしまう。



ミユさん恥ずかしくないの!?


美女はイケメンに囲まれ慣れてるのかなぁ?



いやでもイケメンじゃなくても

周りに男の人いたら着替えられないよ…。


それともやっぱりわたしの常識が…?






「んじゃ行ってきまーす。」



フウくんがライトグレーの扉から店内に行く。





2人きりになった室内。



つづるさんに促され、ワインレッドのイスに座る。





「お疲れ様です。」



先程フウくんが出ていったドアから

ショウキさんが入ってくる。




「咲雪さんこんにちは。」


「お邪魔してます…!」




フウくんから聞いていたようで、

爽やかな笑みで挨拶してくれる。





「んじゃ咲雪ちゃん、

 メニューの構想を教えてくれる?」


つづるさんの言葉に応えるため、

1枚のルーズリーフを差し出す。





「パスタにサンドイッチにパンケーキ…。

 どれも定番な感じのものですね。」


「コスト的にも時間的にも

 メインのものをアレンジして

 バリエーションをつけるのがいいかな

 って思いまして…。」



わたしが書いておいたものは

ソースや具材で様々な味の変更が可能なものばかり。




いろんな料理にすると、

準備するのも大変だと思ったんだ。







< 106 / 357 >

この作品をシェア

pagetop